「転職先がブラック企業で短期離職してしまったらその後のキャリア形成が大変になる。求人票で簡単にブラック企業の特徴を見極められる方法はないかな。」
今回はこのようなお悩みをお持ちのあなたに向けた記事です。
今でこそ官民連携で働き方改革が強化されてきたものの、電通に引き続き、三菱電機やパナソニック産機システムズ等、企業規模に関わらずブラック体質を改善できない企業は依然として存在したままです。
本記事の内容を参考にするだけで、このような
"ブラック企業の特徴を事前に見分けられ、フィルタリングする"
ことができますよ。
実際に私は、新卒の就活時ではありますが今回の内容を意識したことで条件の良い企業に入社することができました。
納得のいく転職活動を実現したい方々にぜひご一読いただきたい記事です。
ブラック企業の定義
ブラック企業の見分け方に入る前にそもそも「ブラック企業」とは何なのでしょうか。
何となく劣悪なイメージだけが先行してしまい、詳細に説明できる方は少ないのではないでしょうか。
そこで、ここではまず厚生労働省の定義をご紹介します。
厚生労働省の「ブラック企業」の定義
①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す。
②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い。
③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う。
参考URL:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html
これらの定義より、ブラック企業の特徴を簡潔にまとめると
✔️業務量の多さや拘束時間の長さが極端に劣悪であり、身体的負担をかける
✔️恒常的にコンプライアンス違反を犯しており、精神的負担をかける
となります。業務量や拘束時間の「極端」をどの程度の線引きとするのかは「労働基準法」および「36協定」を参考にするべきでしょう。
つまり、
✔️残業:年720時間以内
✔️残業および休日出勤:月100時間未満、2~6カ月の平均で80時間以内
という基準に違反しているならば、れっきとした「ブラック企業」であり、違反者には刑事罰が課せられます。
ブラック企業になりやすい業界
ブラック企業の定義をおさらいした上で、ここではそもそもブラックになりやすい業界をご紹介します。
- 飲食業、介護業、小売業
- 旅行業
- 末端の建築業、SES業
飲食業、介護業、小売業
これらはビジネス形態が労働集約型と呼ばれます。
「労働集約型って何ですか。」
業務の大半を人手に頼っているビジネスモデルのことです。業務の自動化が図れておらず、生産性が低い企業が多い傾向にあります。
また、技術力がなく、営業の新規開拓に頼っている企業も危険です。これはフロー型のビジネスモデルであるといえます。
「フロー型って何ですか。」
売り切り型のビジネスモデルのことです。最近流行りの「サブスクリプション」とは真逆の概念になります。サブスクリプションはストック型で継続的に収益を得ることができる構造ですが、フロー型は売って終了なのでその分売り込みに力を入れないといけません。安定した収益が見込めないので、ノルマが多くなる傾向にあります。
旅行業
この業界は顧客単価が低いので、その分営業をかける必要があり、従業員への負担が増える傾向にあります。要は薄利多売のビジネスをしている業界です。
末端の建築業、SES業
「SESって何ですか。」
SESとは「System Engineering Service」の略称であり、技術者をクライアント先に派遣して、成果物に対して報酬を得る委託契約のことです。
この業界に特徴的なのはゼネコン体質であるということです。
「ゼネコンって何ですか。」
ゼネコンとは、「ゼネラル・コントラクター」の略称で、建設を上流から下流まで一気通貫で請け負う業者のことを指します。
これは「多重下請け構造」とも呼ばれる悪しき仕組みなのですが、間を取り持つ企業によってマージンが中抜きされていき、最下層の下請けは労働単価が安く、負担の皺寄せだけを受けることになります。
引用元:https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1810/09/news005.html
転職活動の求人で見られるブラック企業の特徴
ブラックになりやすい業界を把握した上で、実際に転職サイトやハローワークでの求人で見られるブラック企業の特徴を見ていきましょう。
【ブラック企業の特徴8選】
- 若手が多く活躍していることを売りにしている企業
- 採用基準が定まっておらず、緩い企業
- 募集文が抽象的な企業
- 他社と明確に差別化できていない企業
- 募集背景が欠員補充である企業
- 無駄に横文字が多い企業
- 全従業員数に対して募集人数が多い企業
- 年収が平均レンジよりも極端に多い企業
若手が多く活躍していることを売りにしている企業
これは設立後間もないベンチャー企業だけは例外です。設立から何十年と経過しているにも関わらず、「若手でも裁量権が多く与えられる」「若手が多く活気がある」ことをPRしている企業は要注意です。
劣悪な環境下のため平均勤続年数が低いため、人材がなかなか定着しないのです。
採用基準が定まっておらず、緩い企業
面接回数が極端に少なく一度面接しただけで内定をちらつかせたり、募集条件に「職歴不問」「学歴不問」「年齢不問」の三拍子が揃っていれば要注意です。
また、この手の企業は「スキルよりも人を見る」が常套句ですが、これは誰でも良いことの裏返しです。誰でも変えが効く分、コキ使わされる可能性が高いです。
募集文が抽象的な企業
求人票ではお馴染みの「アットホームな社風」等がこれに該当します。
具体的に自社の強みを訴求できないので、抽象的な言葉ではぐらかしている可能性があります。
補足として、アットホームな社風ということは裏を返せば、仕事とプライベートを両立できないということです。
他社と明確に差別化できていない企業
競合他社とサービスが似通っており、差別化が難しくなっている企業も要注意です。
価格競争に陥り利益が減少する結果、社員の給与に影響が出る傾向にあります。
募集背景が欠員補充である企業
募集背景に「欠員補充」と記載がある企業も要注意です。
もちろん該当社員の退職理由が前向きなものである可能性も否めませんが、「新規事業拡大による増員」としている募集にエントリーした方がベターでしょう。
無駄に横文字が多い企業
この手の企業はあえて華やかに見せることで、事実を隠す傾向にあり、実態は泥臭い作業であることが多いです。
例えば「職種軸」で見てみると、以下が該当します。
✔️コンサルタント、アドバイザー
⇒営業
✔️サポーター
⇒クレーム処理係
✔️レスポンスクリエイティブ
⇒スーパーの折込チラシ制作
✔️コーポレートプロフェッショナルアドバイザー
⇒損害保険の外回り営業
全従業員数に対して募集人数が多い企業
条件が悪く従業員が大量に離職していくので、その分ソルジャーを大量採用している可能性が高いです。
目安としては、全従業員数のうち募集人数が3割を超えていれば怪しいと見て良いです。
年収が平均レンジよりも極端に多い企業
待遇面の見栄えだけ良くしておいて、求職者の目に留めるパターンです。
実際に高年収が期待できるのかもしれませんが、その分成果主義であり、過酷な労働環境である傾向にあります。
ブラック企業に引っかからない転職活動の方法
これらの情報を元にブラック企業に引っかからない方法を手順ごとに明示すると以下のようになります。
- 事前に転職エージェントに登録して、担当アドバイザーから各企業ごとの情報を得る
- 転職エージェントに掲載されている企業に候補を絞る
- 前項で説明したブラック企業の業界や特徴を考慮した上で、企業ごとのコーポレートサイトか転職サイトで応募する
ブラック企業は基本的に企業体力がない会社が多いので、掲載費用や成果報酬が発生する転職サイトや転職エージェントへの登録を避ける傾向にあります。そのため、ハローワークにしか掲載していない企業は避けた方が無難です。
また、転職エージェント経由で求人を出している企業は金銭的な負担がかかる分優良企業である可能性が高くなります。
どこの転職エージェントを選択するかは以下の記事を参考にしてください。
また、実際に応募する際は「直接応募」することをおすすめします。その理由は以下をご覧ください。
尚、転職サイトごとの評価は以下で述べています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブラック企業の見極めはポイントを抑えれば簡単であることがお分かりになられたかと思います。
納得のいくキャリアアップを実現するためにも、不当に労働力を搾取する企業への入社は何としてでも阻止しましょう。
あなたの転職活動が成功することを祈っています。
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