どうも、みーくんです。
春の陽気が続き、最近は上着もいらない気温になってきましたね。時折そよぐ風も心地よく、新元号「令和」の典拠である「氣淑(きよ)く風和(やわら)ぎ」に相応しい季節になりました。
さて、今回は日々の仕事においてマルチタスクで進める効果について述べていきたいと思います。
煮詰めたアイデアには限界がある
複数のタスクを進めるには、一つずつ集中して進めた方が効率的であり、アウトプットの質も高くなると思われる方は多くいらっしゃると思います。それも確かに一理あるのですが、「発想力」を必要とするクリエイティブな仕事では、わけが異なるということがアメリカのコロンビア大学の研究で分かりました。研究内容は被験者を以下の2グループに分け、持ち時間1時間で発想力が試されるタスクを複数与えることで、アウトプットの質をそれぞれ評価するというものです。
①あらかじめ10分刻みでタスクを切り替えるタイミングが決められているグループ。いわゆるマルチタスク。
②30分ごとに個々人の自由意志で切り替えるグループ。いわゆるシングルタスク。
出されたアイデアを客観的に評価すると、マルチタスクのグループの方が高い成果を上げていたことが分かりました。
人は一つのタスクに集中してしまうと、煮詰まってしまっていることに気づきません。他のアイデアがあるにも関わらず最初自分が思いついたアイデアを正当化するアイデアだけが芋づる式に出てきます。シングルタスクで進めると、思考が凝り固まり、発想が限定されるのです。これを心理学用語では認知の固着と呼びます。
対して、マルチタスクで行うと、発想がリセットされることで、新しいアイデアが出やすくなります。したがって、タスクに集中していたとしても、強引に切り離すのが良いということになります。このように切り替える時間を定めてタスクを同時並行的にこなしていくことをタスクシフティングとも呼びます。良いアイデアは意外な場所で出てくることもあります。例えば、最近の研究ではアイデアの70%がシャワーを浴びているときに出てくることが分かっているのです。
所感
私は良くも悪くも視野が一点集中してしまう傾向があり、タスクが複数ある場合でも物事に集中できているという点でシングルタスクの方が効率的だと思い込んでいました。しかし、コロンビア大学の研究も一理あると感じています。というのも、作詞家の間では割と有名な話ですが、「外を散歩しているときに良い歌詞が浮かんだ」等の体験談もあるからです。これも一旦作業から離れることで新しいアイデアが浮かんだというタスクシフティングの好例だと言えます。当然、集中力もあるに越したことはないですが、タスクの進行が硬直してしまったら、思い切って離れてみるのも手です。臨機応変に切り替えていきたいものですね。