どうも、みーくんです。
月日が経つのは早いもので、もう3月に突入しています。私は2度休職しているのですが、1度目の休職開始時期が昨年の3月なので一年経過したことになります。また、本日をもって昨年9月6日に発生した北海道地震から半年が経ちました。そのため、2018年は世の中的にも私の中でも「災」の年でした。
今回は、再休職予防の意味も込めて、恒例の認知行動療法シリーズを取り上げたいと思います。
問題解決策リストを完成させる
まず、問題解決策リストが必要とされる背景を復習します。
認知行動療法における「認知」の面では、コラム表を作成し、適応的思考を導き出すことが具体的な対処法でした。もちろん、適応的思考を導き出すことでマイナス気分が軽減されますが、根本的な問題解決にはなっていない場合が多いです。したがって、「行動」の面でも対策をとっていく必要があります。
我々が問題を解決できない際は、以下2点の状況に置かれることが多いです。
①そもそも何に悩んでいるのか明確化できていない。
②悩みは明確だが、最初の一歩がなかなか踏み出せない。
①への対処法として、前回取り上げたのが「問題解決策リスト」でしたが、プロセスの途中までしかご紹介できていなかったため、今回で最後までご紹介できればと思います。また、②の対処法としては「アクションプラン」が有効です。こちらは次項でご紹介します。
さて、問題解決策リストについて前回は以下のようなプロセスがあると述べました。
【問題の明確化】
①現在抱えている問題
②問題を分解
③緊急性や取り組み易さによる優先順位づけ
④今回取り組む問題を選択
⑤選択した問題の具体化
⑥問題を目標に書き換え
参考までに前回のブログを掲載します。
このプロセスを便宜上、「問題の明確化」と呼ぶことにします。
問題の明確化の⑥を進めるにあたって、最適な目標を定めるために「SMARTの法則」という考え方があります。これは、ジョージ・T・ドラン(George T. Doran)氏が1981年に発表した目標設定法で、以下の5項目に沿って定めると良いとされています。
・Specific(明確性):設定した目標は明確なものか
・Measurable(計量性):目標達成率や進捗度を測定可能か
・Assignable(割当設定):役割や権限を割り当てているか
・Realistic(実現可能性):現実的な目標を設定しているか
・Time-related(期間限定):目標達成に期限を設けているか
現実的な目標を定められたら、今度はそれを実現するために多くの解決策を導き出していきます。これを「ブレインストーミング」と呼びます。ブレインストーミングでは、実現可能性の判断は先送りにし、出来る限り多くの解決策を出すことが重要です。また、解決策の内容は認知面ではなく行動面である必要があります。
ブレインストーミングで多くの解決策が挙がったら、今度は挙がった解決策について、それぞれの長所と短所を分析していきます。そして、80%くらいの確率で成功するだろうと予想でき、尚且つ最も実行しやすい解決策を決定します。
解決策を決定したら、いつ、どのようなタイミングで、何を実行するかについて実行計画を策定します。
言葉の羅列では把握しづらい部分もありますので、私の実例を問題解決策リストに当てはめていきたいと思います。
(※私は現在、復職に向けリワークに通っている身で、リワーク施設=疑似会社、リワークスタッフ=上司という位置付けです。)
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問題の明確化プロセスで定まった目標:
事実自分の考え方が正しかったとしても、何故相手は私に指摘をしているのか相手の立場になって考える。他者の意見を汲み取る考え方のバッファを設ける。
【解決策のブレインストーミングと、挙がった解決策の長所と短所】
何故指摘をされたのか相手に聞いてみる
長所:指摘をした背景を確認することができる
短所:相手の時間を余計にとってしまう
自分の考えが本当に正しいかどうかを調べる
長所:自分の考えの根拠を明確化できる
短所:調べる手間がかかる
最後まで相手の話を遮らずに聞く
長所:相手が不快にならない
短所:反論があっても、相手の口車に乗せられてしまう
周りの人同士のやりとりを観察してみる
長所:接し方を学ぶことができる
短所:そのやり取りが正しいかどうかは分からない
指摘してもらって良かったこと、悪かったこと、イライラしたことを書き出してみる
長所:相手が指摘をした背景を知ることができる
短所:事後作業になるので、指摘されているその場では相手の立場に立つことができない可能性もある。
相手の主張した内容について本やネットで調べてみる
長所:相手の主張内容の裏付けを知ることができる
短所:調べる手間がかかる
指摘は聞くが、その通りにはしないことにする
長所:相手には不快な印象を与えることはない
短所:相手の指摘が無駄になる
人と話さない
長所:相手には不快な印象を与えることはない
短所:相手の指摘が無駄になる
普段から色々な意見に接する(TV、新聞、本など)
長所:多くの価値観を知ることができる
短所:興味が無いタイトルにはそもそも食いつかない可能性がある
会社を辞める
長所:ストレス場面を抜本的に解決することができる
短所:毎月の給与が無くなる
【実行する解決策の決定】
解決策:指摘してもらって良かったこと、悪かったこと、イライラしたことを書き出してみる
選択の根拠:良かった点を書き出せば、自分の考え方に頑なにこだわる性格を和らげることができ、同時に悪かった点を書き出すと気持ちの整理に繋がるから
【実行計画の策定】
日付:リワークスタッフに指摘されて、その通り進めた後
タイミング:帰宅後
行動内容:指摘してもらって良かったこと、悪かったこと、イライラしたことを書き出す
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アクションプランの作成
悩みは明確になっている、もしくは問題解決策リストで明確になったものの、最初の一歩がなかなか踏み出せない場合には、アクションプランを活用します。
アクションプランの意義は、実行計画を阻害する問題を除去することにあります。具体的には以下のプロセスを踏みます。
【実行を阻害する問題】
行動目標を実行する際、阻害となりそうな問題を洗い出します。
【検証対象となる希望的観測】
行動目標を実行する際、実行を阻害する状況を希望的観測に変換します。
【実行を阻害する問題への対処策】
実現可能性の判断は先送りにし、出来る限り多くの対処策をブレインストーミングで導き出します。
【対処策の決定】
最も現実的な対処策を選択します。
【対処策を施した結果、実行できたかどうか】
対処策を施した結果を記載します。
【実行できた場合、希望的観測の検証】
希望的観測の確信度を検証します。
【確信度が低い場合、他の対処策を選択】
希望的観測の確信度が低かった場合、ブレインストーミングで導き出した他の対処策を選択します。
実行を阻害する問題があった場合、それに反するポジティブな状況を希望的観測として列挙します。希望的観測で挙げられた状況は、後に確信度における検証の対象になります。アクションプランについても、私の実例を用いて当てはめてみます。
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【実行を阻害する問題】
①リワーク疲れで実行できる体力がない
②資格勉強で忙しい
【検証対象となる希望的観測】
①リワークの疲れが残っていても、工夫次第で実行できる
②時間を有効活用すれば、資格勉強と並行して実行できる
【実行を阻害する問題への対処策】
①・リラクゼーションをこまめに行い、体力の一時的な回復を図る
・規則正しい睡眠習慣を定着させる
②・隙間時間を活用する
・資格勉強のリフレッシュがてら数分間実践してみる
【対処策の決定】
①リラクゼーションをこまめに行い、体力の一時的な回復を図る
②隙間時間を活用する
【対処策を施した結果、実行できたかどうか】
実行できた
【実行できた場合、希望的観測の検証】
①作業中でも手軽にでき、尚且つ自分に効果的なリラクゼーション法を確立できたので、疲労感が軽減した
→確信度:70%
②隙間時間を見つけて浴室等で実行したため、リラックスした状態で行えた
→確信度:90%
これまで紹介した「コラム表」「問題解決策リスト」「アクションプラン」はストレス状況に応じて使い分ける必要があります。またこれらは、学べばすぐに楽になるほど万能ではないので、まずは実践してみることが大切です。そして、選択した対処策で失敗しても何故失敗したのかを分析して他の方法を試してみるというPDCAサイクルを意識していきましょう。