どうも、みーくんです。
アイドルグループ「嵐」の活動中止騒動で世間が荒れている今日この頃ですが、今回はそれと双璧を成すがごとく物議を醸している厚生労働省の不適切調査について、その概要と私の所感を述べていければと思います。
概要
本騒動の概要は以下の通りです。
内容:
賃金や労働時間などの動きを示す指標で、労働者1人当たりの現金給与総額や前年同月と比べた変化率等を示す『毎月勤労統計調査』で賃金水準が0.5%程度過小に報告されていたことが発覚した。従業員500人以上の事業所については「全数調査」がルールだが、2004年からは、東京都内約1400事業所のうちおよそ3分の1に該当する500事業所のみの抽出となっていた。このミスが発覚した段階で正しい処置が行われていれば、過去に遡ってすべて修正をすることになるが、厚生労働省は2018年以降のみを修正し、それ以前は放置していた。そうすることで、2018年1月以降については賃金が急上昇したように見せかけていた。
何が問題なのか:
統計法違反に抵触している。
何故このような事態になったのか:
厚生労働省の統計職員が不足していたのではないかと推測されている。統計学的には抽出調査でも全数調査でも結果として同じ値になることが保証されているので、抽出調査で妥協することで人的コストや時間的コストの削減に寄与する狙いがあったのではないかと考えられる。
影響:
失業保険や労災保険は毎月勤労統計のデータを元に給付額を算出していたため、0.5%の過小分だけ少なくなっていた。
GDP、名目賃金、実質賃金は毎月勤労統計のデータを参考にしていたため、数値に誤りが出る可能性がある。
所感
今後データを引用する際は何を参考にすれば良いのでしょうかね。一般的に信憑性が高いという理由で出典にすることが多い官公庁の資料ですが、その統計資料がこの有様だと縋るものを失った感覚になります。以前私が日本の景気回復について触れた際、「景気動向指数」を取り上げましたが、それを決定づける要素のうち「名目賃金」があったので、数値データとしての誤りが発生している可能性があります。
また、同記事内で述べていた「実質賃金指数が2014年から減少している」という統計結果にも疑ってかかる必要があります。今回は厚生労働省の信用失墜のみならず、GDPや景気動向指数を元に策定される政府の方針に影響が出ますので厄介です。
人員不足が原因ではないかと報じられていますが、日本企業の人手不足の現状と対策をご丁寧に報告書でまとめている厚生労働省が果たしてそんなことになるでしょうか。これは国家ぐるみの隠ぺい工作のような気がしますけどね。というのも、来たる消費税増税を正当化するために、2018年以降のみの統計を修正して景気を良く見せているとしか思えないのです。
そもそも、我々の税金が彼ら公務員の給料として還元されているわけですから、それに見合う労働力を提供して欲しいものです。所詮はお役所仕事なんでしょうね。まぁ、今の日本の労働生産性が低い現状を鑑みるに、期待するだけ無駄感が否めないですけど。
そういえば、同じく厚生労働省の統計資料で、2009年12月のコンドーム生産量(月間4億7538億個)が年間の生産量を超えていたという不可解な誤りが露呈されたようですが、あれは新手のギャグでしょうか。